ある日突然天井からしずくが垂れ落ちてきたら……住まいの天敵である雨漏りが発生してしまったら、早急に屋根修理を行う必要があります。では、雨漏り時の屋根修理とは、いったいどのような方法で行われるのでしょうか。
この記事では雨漏り向けの屋根修理について、施工内容の視点から解説します。
雨漏りはどうして発生するの?
私たちの暮らす住まいは、一戸建てと集合住宅の2種類に分類できます。マンションやアパートなどの集合住宅の場合は2階以上の高層で作られており、屋上部以外に屋根はありません。
一方で、一戸建ての場合には住まいを守るために屋根が施工されており、屋根は瓦やスレート、サイディングなどの材料で作られています。
雨漏りは一戸建ての住まいに発生することが圧倒的に多いため、この記事では一戸建ての屋根修理について紹介します。では、どうして屋根には雨漏りが発生することがあるのでしょうか。主な原因は以下のとおりです。
屋根材の劣化
屋根にはいろいろな種類の屋根材が活用されていますが、どのような屋根材であっても耐用年数があり、いずれは寿命を迎えます。屋根材は20年以上経過すると劣化が目立つようになり、防水効果も低下することから雨漏りが発生しやすくなります。
穴や雨樋の詰まり
屋根の劣化だけが雨漏りの原因ではありません。飛来物による衝撃で穴が開いてしまったり、雨樋が詰まったりして雨漏りに発展することも多いのです。
特に台風などの災害のあとは、突然の雨漏りを経験しやすくなります。
屋根材のズレ
強風などの影響で、屋根材がずれてしまうと雨漏りが起きやすくなります。屋根材本体には問題がなくても、板金部分などに問題が起きると、屋根材が移動してしまいそこから雨水が侵入するのです。
雨漏りに気づいたらどうするべき?
もしもご自宅の雨漏りに気がついたら、いったいどうするべきでしょうか。結論から言うと、雨漏りの放置は建物全体に大きな影響を与えてしまうため、早急に応急処置が必要です。
フローリングまで濡れてしまうと、床材が腐ってしまうなどのトラブルを招きます。まずはバケツや桶などで雨水をキャッチし、床が濡れないように処置をしましょう。
次に、雨漏り箇所をできる限り的確に特定します。どの箇所から漏れているのかわかったら、スマホなどで写真を撮影し、場所を特定しましょう。特定後は速やかに屋根修理業者に依頼をし、メンテナンス及び修理を行ってください。
・屋根に登って修理はするべき?
雨漏りが発生すると、多くの人はびっくりすることでしょう。なんとかしなくちゃ、という思いから屋根の上に登って修理をしようとする方も少なくありません。
実際に屋根の雨漏りの応急処置として、ブルーシートを使ってカバーし、とりあえず置き石などで固定するという方法も考えられます。しかし、屋根の上は滑りやすく、場合によってはどこから雨漏りが起きているのか特定すら難しいこともあります。
水は伝ってしまう性質があるため、雨漏り箇所と濡れている箇所がまったく異なっていることがあるのです。屋根修理は一般の方では非常に難しい技術のため、無理をして修理をするのではなく、早急にプロに相談しましょう。
修理方法を検討しよう!雨漏りの修理方法とは
雨漏りの屋根修理方法には、一部修理と全面修理があります。一部修理は、雨漏りの原因部分のみ修理する方法で、費用が安く済みます。しかし、屋根材がすでに劣化している場合には、一部修理は応急処置に過ぎず、再び大きなトラブルにつながる可能性もあります。
塗装、部材も含めて一部修理でリカバリーできるのか、慎重に判断することが重要です。一方の全面修理は、屋根全体を修理する方法です。屋根全体の修理となるため費用が高くなりますが、屋根全体がリフォームされるため、安心感もアップします。どちらの方法が適しているのか、プロと相談して決定しましょう。
・カバー工法は雨漏り修理に適している?
屋根修理の方法の1つに、「カバー工法」と呼ばれる施工内容があります。カバー工法とは、今ある屋根材の上から新たに屋根材を被せる工事です。古くなった屋根材は撤去しないため、全面修理である葺き替え工事より費用が安い施工です。
安く抑えられるならカバー工法を採用したいと感じるかもしれません。しかし、雨漏りが発生しているような屋根のトラブルの場合は下地にも大きな損傷や劣化が生じていることが多く、剥がして修理をするほうが望ましいケースが多いのです。
カバー工法では雨漏りのトラブルを完全にリカバリーできない可能性があるため、慎重に判断したうえで工事の施工方法を決めましょう。
・葺き替え工事は雨漏り修理に適している?
葺き替え工事は屋根全体をリフレッシュさせる工事です。カバー工法よりも費用は高くなるものの、ダメージが起きやすい下地についても工事を実施するため、美しく屋根が回復します。
雨漏りが発生している屋根修理には、葺き替え工事が適しています。ただし、工期は半月以上かかることもあり、費用は高くなる傾向があります。大がかりな工事となるため屋根修理のプロと相談しながら決めましょう。
雨漏りを起きにくくするコツはある?
雨漏りは内装部分にまで雨水が侵入する大きなトラブルです。できる限り発生を防ぎ、安全な暮らしを維持するためには、いったいどうするべきでしょうか。
・定期的なメンテナンスを行う
屋根のメンテナンスを定期的に行うことで、屋根の部材の劣化やトラブルを早期に修理できるため、屋根材のズレなどを防ぐ効果があります。
また、塗装の劣化などの症状にも早めに気づけるため、早期に屋根修理工事に着手できることもメンテナンスがもたらすメリットです。
・雨樋の清掃も大切
屋根の雨漏りは意外なところから起きるケースがあります。雨樋はその代表格です。雨樋に枯葉などのごみが詰まっていると、雨水が溢れてしまい、雨漏りへと発展するおそれがあります。
特に庭や植栽がある家庭では、雨樋が詰まりやすいため、定期的に清掃を行うことが重要です。
まとめ
この記事では、雨漏り発生時の屋根修理について詳しく解説を行いました。屋根修理にはいろいろな方法がありますが雨漏りは大きなトラブルのため、発生時には早期の応急処置が必須です。
修理方法にはカバー工法も考えられますが、劣化部分を改善させにくいため、葺き替え工事を視野に検討しましょう。