住まいを優しくカバーしてくれる屋根は、設置後月日の経過に合わせて、適切なメンテナンスや修理が必要であるとご存じでしょうか。
今回の記事では屋根修理の中でも「塗装」に注目をします。
いつまでも美しい屋根を維持するために欠かせない塗装工事の概要を解説しますので、ぜひご一読ください。
屋根には塗装がしてある？まずは屋根材をチェックしよう
多くの住まいの外壁には「外壁塗装」と呼ばれる塗装工事が行われています。
メンテナンスが要らないとされる外壁もありますが、現在主流のサイディングをはじめとする外壁材には、保護や美観を兼ねて塗装が実施されることが一般的です。
では、外壁と同じように外部に剥き出しの状態となっている屋根には、塗装は行われているのでしょうか。
結論からいうと、多くの屋根材にも外壁材と同様に塗装が実施されています。
日本瓦のように塗装が不要の屋根材もあるため、もしもご自宅の屋根の塗装が気になる場合には、お住まいの屋根材がどのようなものか確認をしてみましょう。
屋根塗装のメンテナンスは不要って本当？
ネットで屋根に関する情報を検索してみると、屋根塗装のメンテナンスは不要というキーワードが見つかることがあります。
普段の生活の中では屋根に目を留めることも少ないため、屋根の劣化には気が付きにくく、放置しても構わないという意思が働いてしまうのかもしれません。
では、塗装が必要な屋根材にもかかわらず、メンテナンスをしなかったらどうなるでしょうか。
結論からいうと、雨漏りなどの大きな損害を生んでしまう可能性が増します。
スレートやガルバリウム鋼板など、日本の屋根を守る多くの屋根材には塗装工事が欠かせません。
それにもかかわらず、塗装の劣化を放置してしまうと屋根材本体がむき出しの状態になり、錆などのダメージを発生させてしまうのです。
日本瓦のような塗装不要の屋根材ではない限りは、「10年」を目安にメンテナンスが必要です。
私たちの暮らしを守る屋根は非常に大切な住まいのパートナーです。
適切なタイミングでメンテナンスを行うようにしましょう。
屋根塗装工事とはどのような作業内容なの？
屋根に使われている塗装も外壁塗装と同様、新築後（もしくは前回の塗装後）から10年以上経過すると劣化していきます。
屋根に使われている塗装の内容によってはさらに長持ちしますが、屋根は紫外線や雨風の影響を強く受けやすいため、10年前後のメンテナンスが推奨されています。
では、メンテナンスの結果屋根の塗装工事が必要となった場合には、どのような作業が行われるでしょうか。
ここからは具体的な屋根塗装工事について解説します。
屋根修理の第一歩｜塗装工事とは
屋根に修理が必要となるケースでは、屋根への塗装工事のほかに、葺き替え工事やカバー工事が挙げられます。
葺き替え工事とカバー工事は、いずれも屋根材本体をリフォームする大掛かりな工事です。
こうした屋根材本体の工事は塗装工事よりも費用が高額です。
早期に塗装工事を行っておくと、屋根材本体へのダメージを防ぐことができ、大掛かりな屋根のリフォームを先延ばしにできる効果があります。
塗装工事は屋根修理の第一歩として機能しており、ダメージを食い止める大切な施工なのです。
塗装の際には、以下のような工程で行われます。
塗装工事の流れとは
屋根の塗装工事は慎重に行う必要があるため、まずは高所作業の際に欠かせない「足場の設置」が行われます。
外壁塗装とこの点も共通している作業です。
足場を住まいの周囲に固めるように設置したあとに、養生を行ってからは屋根の高圧洗浄を実施します。
汚れたままの屋根の上から塗装をしても綺麗にはなりません。
プロの手で隅々まで洗浄をしたのち、下地の補修工事をスタートさせます。
屋根には下地と呼ばれる処理がなされており、防水シートも敷かれています。
屋根に欠けた部分などが見つかったら、補修も行いつつ、次の「下塗り」の工程へと移行します。
屋根の塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程が基本で行われており、適切に乾燥させつつ厚みのある塗装を作り出していきます。
乾燥が終わると無事に完了し、足場と養生をすべて取り外したら完了です。
屋根修理における塗装工事は、基本的に2週間あればすべて完了します。
塗装を乾かす必要があるため、乾きにくい冬季は避けることが多い工事です。
屋根塗装工事の注意点とは
住まいの屋根を塗装でリフレッシュすると決めたら、屋根が再び真新しく美しい状態に戻るのでワクワクしますよね。
工事が完了する日が待ち遠しいものです。
では、屋根塗装工事を実施する場合にはどのような注意点があるでしょうか。
・外壁塗装ともセットがおすすめ
屋根の劣化が目立つようになるタイミングは、外壁塗装の劣化と同時期であるケースが多いでしょう。
外壁塗装の工事にも足場が必要となるため、屋根塗装の際にはセットで外壁塗装も行ってしまうことがおすすめです。
別々のタイミングで実施してしまうと二重に足場代金が発生することになり、施工主の方にとっては大きな経済的負担となります。
メンテナンスの際には外壁塗装に関してもチェックをしてもらいましょう。
・ご近所へのご挨拶は必須
屋根塗装工事は塗料を使う工事のため、塗料の飛散を防ぐために養生を行います。
隣接する建物との距離が近い場合には、他社の敷地部分にも養生を行わせていただくことになります。
足場の設置なども含めて、一定期間の間ご近所の方々にご協力をいただくことが多いため、ご挨拶はしっかりと行うようにしましょう。
その際には、塗装に関する工事の概要や期間などをお知らせしておくことがトラブルを起こさない秘訣です。
なお、ご近所へのご挨拶は業者が行うことが多いですが、施工主の方からもお伝えいただくことで、よりスムーズな工事ができます。
道路に足場設置の際の車両を置かせてもらうことも多いので、配慮を欠かさないように注意しましょう。
・不安は施工前に解消を
初めて塗装工事を依頼する場合には、塗料の費用や足場に関することなど、疑問点が多く湧くのではないでしょうか。
施工に関する内容や費用にご不安がある場合には、施工を開始する前に不安を解消しておきましょう。
まとめ
この記事では、屋根修理に関して塗装工事をメインに詳しく解説を行いました。
私たちの暮らしをカバーしてくれる屋根は、普段はつい忘れてしまう存在です。
しかし、新築後は約10年前後を目安に、まずはメンテナンスを行うことがおすすめです。
塗装工事の際には感じる不安点を事前に解消し、納得の美しい屋根を完成させましょう。