ー屋根工事のカバー工法とは?概要を解説ー
屋根修理は家の耐久性と美観を維持するために不可欠ですが、その費用はときに高額となります。そこでおすすめなのが「カバー工法」です。カバー工法では、ほかの修理方法に比べてコストを抑えられる可能性が高いです。
この記事では、屋根修理のカバー工法について解説し、利点や注意点についても掘り下げていきます。
カバー工法について
屋根修理には多様な方法が存在します。既存の屋根材の上に新しい軽量の屋根材を重ねる「カバー工法」も屋根修理の一つです。
たとえば一般的な戸建てでは、スレートとも呼ばれるコロニアル屋根の上に、軽量の金属屋根材を重ねるカバー工法がよく用いられます。カバー工法は、元の屋根材を取り除く必要がないため、工事の時間やコストを削減可能です。
ここからは、カバー工法の特徴や適用可能な屋根の条件などを詳しく解説します。
カバー工法の手順
屋根工事におけるカバー工法の手順について説明します。
カバー工法では、最初に屋根材の上から新しい防水シート重ねます。防水シートが完全に密着していない場合、雨水の侵入によって屋根だけでなく、家全体の構造にダメージを与える可能性があるため、この工程は非常に重要です。
防水シートの取り付け後は、軽量の金属屋根材を上から重ねます。隙間のないように適切に設置できたら、カバー工法での工事は終了となります。
カバー工法の利点
カバー工法の利点は、費用と工期を削減できることです。既存の屋根材の撤去・処分費用がかからないため、全体の葺き替えよりもリーズナブルに施工できます。
さらにカバー工法は、屋根の防水性能を向上できる点も魅力です。
屋根には防水機能のあるシートと屋根材が設置されていますが、カバー工法ではその上から新しいシートと屋根材を取り付けます。カバー工法を用いた箇所は、屋根材が二重になるためめ、雨漏りから家を守りやすくなります。
カバー工法の耐用年数
一般的な金属製の屋根材の耐用年数は、約20~30年だといわれています。そのため適切なカバー工法が行われていれば、施工箇所は約30年にわたって家を守ってくれます。
しかし正確な施工を行うためには、屋根の状態に合った工法や材料の選定が必要です。
カバー工法では屋根材を取り除かずに施工するため、既存の屋根材の劣化を検出できないこともあります。表面的には問題がないように見える屋根でも、カバー工法によって、かえって住まいに損傷を与えるおそれがあります。
そのため、事前に専門業者に劣化の有無を診断してもらうのが大切です。屋根の状況を正確に教えてもらい、適切な工法を提案してもらいましょう。
カバー工法が向いていない屋根の種類
カバー工法は、費用と工期の短縮が可能であるため、多くの人にとって魅力的です。しかし、すべての屋根がカバー工法に適しているわけではない点に注意が必要です。
特に、屋根の下地がすでに劣化している場合、カバー工法は適用できません。劣化した屋根材や下地材を補修する必要があります。
瓦屋根も同様に、カバー工法には不向きです。ほかの屋根材でも、カバー工法を選択できない場合があることを理解しておきましょう。
ここからは、屋根の種類ごとに、カバー工法との相性を解説します。
瓦屋根
瓦屋根は、カバー工法には適していません。なぜならカバー工法は、主に平らな屋根材に用いられる方法だからです。瓦屋根は波打った形状をしており、平坦ではないため、カバー工法には向いていません。
さらに瓦自体の重さも問題となります。重い瓦を二重にすると屋根への負担が大きくなり、落下などのリスクが高くなるため、カバー工法は瓦には用いられません。
トタン屋根
金属製のトタン屋根は、状況によってカバー工法ができるかどうかが異なります。
たとえば古いトタン屋根の場合、下地が傷んでいる可能性が高いです。下地が損傷している状態で新しい屋根材を重ねると、劣化の進行につながるおそれがあります。そのためカバー工法ではなく、葺き替えなどを選ぶ必要があります。
スレート(コロニアル)屋根
コロニアル(スレート屋根)は、基本的にはカバー工法が可能です。しかしトタン屋根と同様に、下地部分が劣化している場合は、カバー工法を避けるべきです。
特に、屋根工事の時点ですでに雨漏りが発生している場合は、下地の劣化が進んでいる可能性が高く、カバー工法はおすすめできません。
下地の劣化や雨漏りなどの問題がある状況では、修復に重点を置いた屋根工事を優先しましょう。
屋根の状態を専門家に診断してもらう
カバー工法は既存の屋根材を撤去せずに工事を行うため、工期と費用の節約が可能です。しかしカバー工法は、条件に当てはまる屋根にのみ適用できます。
もし屋根の基礎部分がすでに損傷している場合、カバー工法を施すと家全体の耐久性に影響をおよぼすおそれがあります。また、カバー工法後に基礎部分の修理が必要になると、二重の屋根材の撤去が必要です。
屋根は紫外線や風雨にさらされるため、経年劣化は避けられません。劣化の進行度合いは、立地条件やメンテナンス方法などによって異なります。
カバー工法を検討する際は、まずは屋根専門の業者に屋根の状態を診断してもらうことが重要です。屋根の状態によっては、カバー工法よりも屋根の基本的な部分の修理を提案されるケースもあります。
まとめ
屋根工事のカバー工法について詳しく解説しました。
カバー工法は、既存の屋根材を撤去しないため、工期と費用を削減できる利点があります。
しかしカバー工法を行うには、屋根の下地部分に損傷がなく、屋根面が平らである必要があります。そのため、瓦屋根には向いていません。
また、トタン屋根やスレート屋根においても、下地部分の劣化が見られる場合、カバー工法は不適切です。すでに雨漏りが発生している場合も、カバー工法ではなく、屋根材の撤去と修理が必要です。
屋根工事を検討する際は、専門業者に屋根の現状を診断してもらい、劣化の程度を考慮しながら、カバー工法ができるかどうか相談するのが良いでしょう。屋根は住まいを守る大切な役割を担っているので、信頼できる業者に依頼して適切な工事をしてもらうのが重要です。
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