屋根は住まいのなかでも重要な建材です。屋根に求められている機能は、住まいを雨や風から守ることです。
しかし、時間が経つにつれて屋根は劣化し、雨漏りの問題が発生することがあります。
この記事では、雨漏りの屋根修理の方法や施工内容について詳しく説明します。
屋根の雨漏りに兆候はある?
長年大切に使っている住まいも、経年劣化によっていろいろな部材が傷んでいきます
。特に新築後15年以上経過すると、屋根材や外壁材などにもダメージが見受けられることがあり、リフォームに向けたメンテナンスを検討する方も多くなるでしょう。
では、屋根修理を検討する場合、いったいどのようなトラブルが背景事情にあるケースが多いでしょうか。この章では屋根への雨漏りについて、兆候の視点から解説します。
屋根への雨漏りの予兆とは
雨漏りの兆候を認識することは、早期発見と屋根修理の鍵を握っています。以下は雨漏りの典型的な兆候です。
1.天井や壁の染みや水滴
2.屋根からの水漏れの音
3.屋根材の剥がれや欠損
4.屋根のへこみ
5.屋根裏の湿気や水ダメージ
屋根への雨漏りの一般的な原因
天候に左右されやすい場所に設置される屋根は、雨漏りが起きやすい場所です。
屋根の耐用年数は屋根材によって左右されます。
では、実際に雨漏りが起きる原因にはどのような事情があるでしょうか。多
くの雨漏りの背景には、屋根材が古くなっていることが挙げられます。たとえば、日本瓦のような素材は高価なものですが、種類によっては50年以上の耐用年数を誇ります。ですが、瓦同士に隙間があり、下地部分の部材へと雨水が侵入できる状態になると、建物内部への雨漏りへとつながります。
また、屋根はハクビシンやネズミなどの害獣が侵入しやすく、穴や亀裂が野地板などに発生することがあります。こうした外部からもたらされるトラブルも、屋根修理を必要とする雨漏りへと発展してしまいます。
このほかに、屋根を固定したり一部をカバーしたりするための板金部分の腐食や、台風などの災害によっても雨漏りが発生しています。
雨漏りが見つかったらどうするべき?
屋根に雨漏りが見つかったら、放置は厳禁です。放置すると木材などの建材が腐食してしまいます。
また、カビなどの有害な現象が多発するおそれがあるため、早期の屋根修理が欠かせません。
では、雨漏りを見つけた場合にはどのような対処をすることが望ましいでしょうか。
すぐに専門家へ相談を
雨漏りの兆候が見つかった場合、専門家への相談が必要不可欠です。屋根修理の専門家は雨漏りの原因を特定し、どのような工事が望ましいのか判断できます。
たとえば、雨漏りが起きているケースでは屋根塗装の修理だけでは終わらないことが多く、カバー工法による屋根修理や、葺き替え工事などが必要となることが多いでしょう。
専門家はどのような点検を行う?
屋根修理の専門家は依頼を受けると、まずはすぐに点検を行います。
たとえば、一部分の屋根材への穴から雨漏りが起きている場合には、防水シートの改善などを含んだ修理のみで、解決できることがあります。
一方、台風などの影響で大規模な被害が屋根全体に発生している場合には、屋根全体の修理を施工するべきと判断します。
雨漏りの発生経路や屋根材の耐用年数、劣化状況などを点検したうえで、お客さまに点検内容を報告します。
急に屋根修理されてしまうことはある?
屋根修理の費用は基本的に足場代金が発生し、あとは修理の方針によって費用が大きく異なります。特に屋根修理のなかでも、屋根材全体を葺き替える「葺き替え工事」は、費用が高額になることが多く、数百万の修理費用が発生することがあります。
そのため、雨漏り点検を受ける方は、「急に修理費用を請求されたらどうしようか」と考える傾向があります。
しかし、屋根に関しては点検直後に修理に入るようなことはありません。部材や人材の発注、足場の設置などはもちろんですが、業者と施工主の方が同意をする必要があります。
同意していないにもかかわらず、修理が無断で行われて費用を請求された場合には、速やかに消費者センターなどの機関へ相談してください。
屋根修理の施工にはどのような種類がある?
では、雨漏りに対する屋根修理は具体的にどのような施工が行われるのでしょうか。この章では施工種類に関して詳しく解説します。
屋根修理の方法は主に4つ
屋根修理の方法は、基本的に4つの種類に分類されます。
まずは塗装工事です。この方法は、屋根材への塗装が剥がれてきたり、経年劣化が進んだりしているようなケースで行われます。屋根塗装工事とも呼ばれており、美観や防水力の向上のために行われることが多く、雨漏りが発生している場合には塗装工事だけで終えられることは少ないでしょう。
そこで、塗装工事と合わせて行われているのが、部分補修工事です。この工事は雨漏りの発生原因が特定でき、修復可能な場合に行われる工事です。部分補修では完全に雨漏りが防げない場合には、カバー工法による工事、もしくは葺き替え工事が選択されます。
カバー工法とは
外壁にも使われている方法ですが、屋根にもカバー工法と呼ばれる工事があります。
この方法は既存の屋根材の上から、真新しい別の屋根材を重ねる方法です。既存の屋根材を解体し、撤去する必要がないため、人気がある工事方法です。
ただし、すでに木材の腐食が激しい場合には、放置しておくと住まいの耐久性が大きく落ちてしまいます。また、カバー工法は耐震性にも考慮する必要があります。専門家に相談しながら、施工できるのか判断することがおすすめです。
葺き替え工事とは
屋根修理の方法には葺き替え工事が挙げられます。この方法は雨漏りが発生している箇所全体を修理できるため、費用はかかるものの住まい全体の寿命を延ばす効果があります。
葺き替え工事は解体作業も発生するため、工事期間は半月以上かかることもあります。カバー工法と比較すると耐震性に関する不安は起きにくく、雨漏りを確実に修復する効果もあるためおすすめです。
まとめ
この記事では、雨漏りに対する屋根修理の方法について、屋根修理の具体的な方法にも触れながら詳しく解説を行いました。
もしも現在雨漏りの兆候を見つけているなら、早期の専門家への相談がおすすめです。放置してしまうと住まい全体の寿命に影響するため、お早めに相談してください。