住宅の重要な構成要素である屋根は、外部の気象条件や経年劣化にさらされるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
屋根の劣化や損傷が放置されると、建物全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、屋根修理のタイミングについて知っておきたいポイントに焦点を当て、適切なメンテナンスも紹介します。
屋根修理はなぜ必要?
私たちの暮らしに欠かせない屋根ですが、修理が必要となる場合があります。
では、なぜ屋根修理は必要となるのでしょうか。主な原因は以下のとおりです。
1.災害や自然の影響による損傷
屋根は住宅の内部とは異なり、外部の気象条件に直接さらされています。台風などの影響も受けやすく、短期間で急激に屋根の状態が悪くなることも少なくありません。
また、雨や風が長期間にわたり作用することで、屋根材に劣化や損傷を引き起こします。これが放置されると、屋根の機能が低下し、水漏れや他の損害の原因となります。
2.経年劣化
屋根材は時間とともに劣化します。
屋根には屋根塗装の施工により保護能力が付加されているものもあり、瓦のように塗装入らなくても頑丈な素材もありますが、耐用年数が設定されており、時間の経過とともに劣化は起きていきます。また、漆喰や板金部分など、屋根に付属する部材も長期間しようしていると劣化していきます。
経年劣化が進行していくと屋根が本来の保護機能を果たせなくなり、修理が必要になります。
3.施工ミス
屋根が不適切に施工された場合も修理が必要です。
材料の結合が十分でなかったり、防水処理が不十分だったりする可能性があります。これが原因で水漏れや損傷が発生することがあり、修理が必要となる場合があります。
屋根修理の前には何が必要?
屋根修理を行う前には、まずは適切なリフォーム方法を診断するためにもメンテナンスが必要です。
屋根修理のために必要なメンテナンスとは、一体どのようなものでしょうか。
施工後10年を目安にメンテナンスをしよう
屋根の健康状態を把握するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
新築時はピカピカで美しい外観も築後10年程度経過すると塗料の寿命を迎えるなどの影響で、劣化が目立つようになります。そのため、築後10年を目安に一度点検を受けてみましょう。点検では、屋根表面の状態や雨樋、外壁周りのシーリングなどを注意深く調べます。
早期に問題を発見し、修理することで、将来的な損害を防ぐことが可能です。もちろん、台風などの影響があった場合にはこの限りではありません。
屋根材の寿命のサイン
屋根材の種類によって寿命は異なりますが、一般的には屋根材本体の耐用年数は15年~50年程度とされています。
瓦屋根は長持ちする傾向がありますが、漆喰などのメンテナンスは欠かせません。屋根材には寿命のサインがあり、塗装が施されている場合には、施工後約10年を目安に塗り替えるタイミングが来ます。塗装の塗り替えをしないままでいると、屋根材の防水機能が低下するためご注意ください。
また、異音や異臭が天井にある場合は雨漏りが発生しているおそれがあるため、早めにメンテナンスを行いましょう。
屋根修理のタイミングとは
屋根修理が必要な場合、適切なタイミングでの対応が重要です。
小規模な損傷や雨漏りが見つかった場合は、速やかに修理を行い、悪化を防ぐ必要があります。また、大規模な修理や屋根の交換が必要な場合は、大掛かりな工事を必要とするため、早期に業者との打ち合わせを開始しましょう。
屋根修理のベストタイミングは春と秋
屋根修理は天候に左右されやすい施工のため、施工時にはおすすめされる気候があります。
結論、屋根修理のベストタイミングは「春と秋」です。理由としては天候が安定しており、屋根修理に適しているためです。塗装も乾きやすかったり、コーキングの張り替えもスムーズに行えたりと、施工期間も短く終えやすいでしょう。
屋根修理のタイミングは費用次第?
屋根修理にはいろんな方法があります。
塗装だけを行う塗装工事、屋根材の上に新しい屋根材を乗せるカバー工法による工事、屋根を総入れ替えする葺き替え工事があります。
また、部分的な補修の場合は部分補修工事も可能です。こうした工事はメンテナンス結果によって判断されていますが、場合によっては費用に驚くことも予想されます。
葺き替え工事の場合、屋根の下地部分から施工を行うため費用が高額になる傾向があるのです。そのため、施工費用を安く抑えるためには早期のメンテナンスが重要です。
葺き替え工事は基本的に築後20年~30年以上経過し、住まいをリフォームしたい際などに実施する工事です。
屋根修理のタイミングは専門家に依頼しよう
屋根修理のタイミングを見極めることは、住宅の健康を維持する上で不可欠です。
しかし、一般の方が屋根修理を判断するのはとても難しく、専門家に判断を依頼することがおすすめです。特に大掛かりなリフォームを検討する場合には、雨漏りを見過ごしてしまうと再度大掛かりな工事が必要となってしまいます。
必ず適切なアドバイスを受けた上で施工内容を決めましょう。
屋根修理のタイミングにおける注意点
屋根修理を検討されている方の中には、被害が大きくなってから工事をしようと考えている方もいます。では、実際には被害が大きくなってからの工事の方が、工事費用は抑えられるのでしょうか。
答えはNOです。
屋根修理は被害が出る前にこまめに修理を重ねる方が、コストを抑えることができます。簡単な修理なら足場も不要です。
ただし、塗装工事などの屋根修理工事全般は、基本的に足場が必要となるため、工事の施工費用内に足場代が組み入れられています。あまりにも長期間屋根の劣化を放置していると、雨漏りの影響により高額の修理費用が請求されるだけではなく、建材にもカビなどの影響が及ぶため、ご注意ください。
棟板金の交換などにもこまめに注目を
屋根修理には部分補修という考え方があります。
部分補修とは、棟板金や漆喰など気になる箇所の修理を行うものです。部分補修のタイミングは築後10年程度と言われています。
部分的な劣化を放置していると、その箇所から雨漏りが進行することもが多いため、必ず行うようにしましょう。
まとめ
この記事では、屋根修理についてタイミングの視点から詳しく解説しました。
屋根修理は大掛かりな施工が必要になると、どうしても高額の費用が必要となるため、できれば避けることが無難です。
高額の修理に至ってしまう前に、まずは築後10年をタイミングに施工をメンテナンスを行うようにしましょう。