建物を長期間維持していくためには、外装部分にあたるダメージを早期に発見し、修理を行う必要があります。
特に屋根は紫外線や雨水の影響を受けやすい箇所のため、早めに点検や修理が必要です。この記事では、屋根修理について種類や工事のタイミングの視点から、詳しく解説します。
屋根はダメージが起きやすい?
私たちの暮らす建物には、必ず屋根が施工されています。特に一戸建ての場合は、さまざまな屋根材を使って屋根がデザインされており、スレートや日本瓦、金属板などの素材が大活躍しています。
色鮮やかな屋根も豊富です。長期間建物を守っていくうえでは、屋根の「ダメージ」についてしっかりと把握しておく必要があります。屋根は毎日紫外線を浴びており、特に雨や雪にも強くさらされています。
排気ガスなどの影響で汚れも溜まりやすく、実は過酷な環境の中で住まいを守ってくれているのです。そのため、外壁よりもダメージが起きやすく、定期的に点検を行う必要があります。
自然災害の影響も受けやすい
屋根は建物の上部に設置されているため、自然災害の影響も受けやすい部位です。台風の際は屋根材が破損してしまったり、飛散してしまったりするケースも少なくありません。
実際に巨大な台風が日本列島に直撃すると、多くの家屋の屋根で大規模な損傷が発生しています。また、直下型地震のあとは震度が小さくても、瓦がずれるダメージが起きやすいです。
自然災害以外でも、紫外線が注がれやすい場所にある屋根は、塗料の劣化が起きやすく、すぐに防水機能が低下してしまいます。
一度施工してしまうと、普段は気にする機会が少ない屋根ですが、自然災害の影響を大きく受けやすい場所のため、台風や地震のあとなどは、点検を受けることがおすすめです。
屋根修理の種類とは?目的別に施工を決めよう
どれほど頑丈な屋根であっても、築年数の経過とともに塗装も屋根材も劣化の道を歩みます。
そこで、適切なタイミングで屋根修理を実施するために、この章では屋根修理の種類に注目し、目的別の修理方法をわかりやすく紹介します。
簡単に屋根修理をしたいケース
屋根修理にはいくつかの種類がありますが、簡単に直せるダメージであれば、「部分補修」と呼ばれる種類の工事がおすすめです。この工事では、屋根の棟板金にあたる部分の補修や、一部の塗装の実施、雨樋の補修などが行われます。
テレビアンテナの倒壊などによる屋根へのダメージも、簡単な補修でリカバリーできます。簡単な補修工事は10万円以内の予算で終わることが多く、気軽に依頼できるでしょう。
応急処置が必要なケース
台風による瓦の落下や、突然の雨漏りなどは、暮らしに大きな影響を及ぼすため早めの修理が必要です。応急処置が必要なケースでは、まずはブルーシートや土嚢などで対応し、そのあと本格的な屋根修理工事を実施します。
応急処置は数万の費用で対応できることが多いですが、雨漏りに発展している場合は、大規模なリフォームを要することも多いため注意が必要です。応急処置は自身で行おうとすると、けがをしたり転落したりする可能性があります。
できる限り専門家に依頼することがおすすめです。
リフォームしたいケース
屋根修理を実施する方法には、リフォームも考えられます。屋根修理には塗装工事や葺き替え工事など、いくつかの種類の施工方法があり、施工主の要望や現在の屋根のダメージ状況に合わせて施工内容を決定します。
・住まいのイメージを変えるなら塗装工事がおすすめ
屋根には塗装が行われることが多くなっています。スレートなどの素材には塗装が行われていることが基本です。塗装には屋根向けの塗料が使用されていますが、紫外線などの影響により、塗料は徐々に劣化していきます。
その際には、屋根材を保護するためにも塗装工事をすることがおすすめです。また、住まいの外観のイメージを大きく変えたい場合にも、塗装工事をおすすめします。既存の屋根の色を変えることで、イメージを大胆に変更できます。塗装工事は数十万程度で終わることが多く、住まいのリフォームにもおすすめです。
・屋根にダメージがあるなら葺き替え工事
屋根に大きなダメージがあり、雨漏りなどが発生している場合には、葺き替え工事の検討がおすすめです。葺き替え工事とは今ある屋根を解体し、新しい屋根を設置する工事です。
数ある屋根修理の種類のなかでも、費用負担が大きくなりやすい工事ですが、屋根にあるダメージを一新できます。葺き替え工事はアスベストが発覚した住まいにも適応できる工事です。健康被害を防げる屋根修理もあると知っておきましょう。
・ライトな屋根修理ならカバー工法もおすすめ
近年屋根修理のなかでも注目度が高まっているのが、カバー工法による工事です。カバー工法とは、古い屋根材の上から、新しい屋根材を被せる工事を意味します。この方法は解体方法が不要であり、かつ新しい屋根を気軽に楽しめるため人気が上昇しています。
足場工事などは必要となりますが、葺き替え工事よりも安く工事を行えると好評です。ただし、すでに屋根の下地にまでダメージが発生している場合には、葺き替え工事を検討する必要があります。カバー工法は下地や野地板の交換は行わないため、注意が必要です。
屋根修理の種類のなかでDIYができる施工はあるのか?
屋根修理は大規模な葺き替え工事になると、数百万の規模で工事費用が発生します。そのため、工事を検討する方のなかには、DIYで対応できる屋根修理の方法はないのかと考える方もいるでしょう。
しかし、屋根修理はDIYで対応できる部分が非常に少ない工事です。外壁よりも高所作業を要する塗装や、屋根材の張り替え工事などは、専門性の高い工事であり、足場も必要です。
簡単な応急処置ならできる可能性はありますが、自然災害後の屋根で応急処置を急ぐ場合、滑ってしまう、あるいは飛来物によるけがも予想されます。
屋根修理はどのような種類であっても、まずは専門家に相談をすることがおすすめです。
まとめ
この記事では、屋根修理について、目的別に種類を詳しく解説しました。
屋根修理は一見簡単そうに見える工事もありますが、DIYによる作業は非常に危険です。住まいを守る役割を務める屋根の修理は、適切な種類を見極めたうえで工事をするためにも、まずは専門家に相談してみてください。